リフォームの打ち合わせを重ね、見積もりにも納得できたら、いよいよ契約です。
ここまで来ると、「やっと工事が始まる」という安心感の方が大きくなるかもしれません。
でも、私は契約の日こそ、一番落ち着いてほしいと思っています。
契約書は、ただサインをするための書類ではありません。
これまで打ち合わせしてきた内容が、きちんと形になっているかを確認するための大切な資料です。
今回は、契約前に確認しておきたいポイントを、現場で感じてきたことも交えながらお話しします。
正直、契約前の確認は面倒です
ここで一つ、正直な話をします。
契約前の確認って、正直面倒なんです。
資料は何枚もありますし、文字も小さい。
普段見慣れない内容ばかりなので、全部読むだけでも疲れてしまいます。
それまで何度も打ち合わせを重ねてきて、
「担当さんが分かってくれているから大丈夫。」
「ここまで話してきたんだから間違いない。」
そう思う方も少なくありません。
実際、そのまま何事もなく工事が終わるケースもたくさんあります。
でも、私がこれまで担当してきた中で振り返ると、
トラブルの多くは、契約前に確認していれば防げたと思うものばかりでした。
だから私は、契約前の確認だけは、「面倒だから」と流してほしくありません。
工期・納期をもう一度確認する
契約前には、工事のスケジュールも確認しておきましょう。
ただし、リフォームは解体して初めて分かることがあったり、
設備によっては発注後でなければ納期が確定しなかったりするため、
工事内容によっては「〇月中旬頃」といった予定で案内されることもあります。
一方で、トイレや洗面台の交換など、比較的シンプルな工事は、工期や納期は比較的読みやすくなります。
大切なのは、現時点でどこまで決まっていて、何が変わる可能性があるのかを担当者と共有しておくことです。
引っ越しや家具・家電の搬入予定がある場合は、特に確認しておきましょう。
予定が変わる可能性がある場合は、その理由もあわせて聞いておくと安心です。
支払い時期を確認する
契約金額だけではなく、
- 契約金
- 中間金
- 残金
など、「いつ・いくら支払うのか」も確認しておきましょう。
住宅ローンやリフォームローンを利用する場合は、融資実行のタイミングも関係してきます。
「支払いは工事が始まってからだと思っていた。」
そんな認識違いがないよう、契約前に確認しておくと安心です。
契約書よりも、添付資料を担当者と一緒に確認する
私が一番時間をかけてほしいと思うのは、ここです。
契約書だけを読んでも、工事の内容までは分かりません。
本当に大切なのは、
- 見積書
- 図面
- 仕様書
- 設備資料
こうした添付資料です。
担当者と一緒に、
- 打ち合わせ内容が反映されているか
- 削除した工事が残っていないか
- 追加した内容が漏れていないか
- 色や品番は間違っていないか
- 設備資料は最新のものか
- 未決定事項は残っていないか
一つずつ確認してみてください。
例えば、
クロスはブラウンでお願いしたつもりが、契約資料にはグレーの品番が記載されていた。
契約前に気付けば修正できますが、そのまま工事が始まってしまうと、
「思っていた色と違う」という結果になりかねません。
もちろん、このようなケースは決して多いものではありません。
ただ、一度工事が始まってしまうと簡単にはやり直せないからこそ、契約前の確認が大切なのです。
約款は分からないままにしない
約款は文字も多く、最初から全部理解しようとすると大変です。
細かい内容まで覚える必要はありません。
ただ、
- 保証
- キャンセル
- 追加工事
など、自分に関わる部分は担当者に説明してもらいましょう。
「よく分からないけどサインした。」
これだけは避けたいところです。
契約書は、お互いを守るためのもの
契約書や見積書、図面や仕様書は、
「言った」「言わない」
「そう思っていた」
「聞いていない」
こうした認識の違いをなくすために作られるものです。
今まで打ち合わせしてきた内容を、一つひとつ書面として残した、大切な記録でもあります。
少し厳しい言い方になるかもしれませんが、
契約後は、契約書と添付資料に記載された内容が工事の基準になります。
契約書は、お客様だけを守るものでも、リフォーム会社だけを守るものでもありません。
お互いが同じ内容を共有し、安心して工事を進めるための約束です。
だからこそ、サインをする前には焦らず時間を取り、担当者と一緒に一つひとつ確認してみてください。
その少しの時間が、工事が始まってからの「思っていたのと違う」を防ぎ、
安心してリフォームを進めることにつながります。