リフォーム工事が始まると、少しずつ住まいの形が変わっていきます。
毎日工事の様子を見られる方もいれば、仮住まいや仕事の都合で、なかなか現場へ行けない方もいるでしょう。
「工事は、すべて会社へ任せておけばよいのかな。」
「自分でも、何か確認したほうがよいのかな。」
と迷うかもしれません。
工事中に大切なのは、毎日現場へ通うことでも、施主が専門家のように工事を検査することでもありません。
節目で現場を見て、気になったことがあれば、早めに担当者へ伝えることです。
工事が進んでからでは直しにくくなることもあります。一方で、完成する前だからこそ確認できることもあります。
今日は、工事中にどこを見ればよいのか。変更したいことや気になることが出てきたとき、どのように伝えればよいのか。現役のリフォーム営業として、工事中に知っておいていただきたいことをお話しします。
現場は、毎日見に行かなくても大丈夫
工事中は、できるだけ現場を見たほうがよいと聞くことがあります。
たしかに、現場へ行けば、図面だけでは分からなかった広さや高さ、設備の位置などを実際に確認できます。
ただ、毎日見に行かなければ工事が正しく進まないわけではありません。
仕事や家事があり、現場へ行く時間を取りにくい方もいます。仮住まいが離れていれば、何度も足を運ぶことも難しいでしょう。
無理に毎日通うより、工事の節目に合わせて確認するほうが現実的です。
たとえば、次のような時期です。
- 解体が終わったあと
- 配管や配線、下地を施工しているとき
- キッチンや浴室などの設備を取り付ける前後
- 壁紙や床などの仕上げ工事が進んだあと
- 完成検査の前
完成すると隠れる部分を見ておきたい場合や、棚やコンセントなどの位置を確認したい場合は、いつ現場へ行けばよいかを担当者へ聞いてみてください。
「次は、いつ見に行くと分かりやすいですか。」
と聞けば、工事の進み方に合わせて案内してもらえると思います。
大切なのは訪問する回数ではなく、確認したい工事が見える時期に現場を見ることです。
現場へ行く前に、担当者へ連絡する
自分の家の工事であっても、工事中の現場へ自由に入れるとは限りません。
床を張った直後で歩けない。塗装や接着剤が乾いていない。大きな材料を運び入れている。電気や水道を止めて作業している。
工事の内容によっては、安全のために立ち入りを控えていただくことがあります。
現場を見たいときは、
「明日の午後に見に行っても大丈夫ですか。」
と、担当者や現場監督へ事前に確認しておきましょう。
現場へ入るときは、かかとのある靴を履き、足元や頭上にも注意してください。床には工具や材料が置かれ、壁から配線や金物が出ていることがあります。
小さなお子さんを連れて行く場合は、手を離さず、走り回らないようにします。ペットも、工事中の室内へ入れないほうが安全です。
また、現場にある工具や材料、取り外した設備には、確認せず触れないようにしてください。処分するように見えるものでも、再利用する予定の部材かもしれません。
マンションでは、工事中の住戸だけでなく、廊下やエレベーターなどの共用部にも配慮が必要です。靴に付いたほこりや汚れを共用部へ持ち出さないよう、現場の案内に従ってください。
施主が工事を検査する必要はない
現場を見に行っても、
「どこを見ればよいのか分からない。」
と思う方は多いと思います。
柱や配管、下地を見ても、それが正しく施工されているかを施主が判断するのは簡単ではありません。
無理に専門的なところまで確認する必要はありません。
施主として見ておきたいのは、自分たちが打ち合わせで決めた内容と、現場で形になっているものが合っているかです。
たとえば、
- 壁や建具の位置
- 棚やカウンターの高さ
- コンセントやスイッチの位置
- 照明を取り付ける場所
- キッチンや洗面台の向き
- 残す予定の設備や部材
- 選んだ色や仕上げ
などです。
図面や仕様書を持っていくと、現場と照らし合わせやすくなります。
工事途中は、下地が見えていたり、壁紙が張られていなかったりするため、完成後とは印象が大きく違います。途中の状態だけを見て、
「思っていた仕上がりと違う。」
と不安になることもあるでしょう。
分からないところは、自分だけで判断せず、
「ここは、完成するとどのようになりますか。」
と聞いてみてください。
現場を見る目的は、施工の間違いを探すことではありません。
打ち合わせで決めた内容が、どのように形になっているのかを確かめることです。
気になることは、工事が終わるまで待たない
現場を見ていると、
「図面と位置が違うような気がする。」
「この傷は、もともとあったものかな。」
「残す予定の棚が外されている。」
といった気になることが出てくる場合があります。
このとき、
「まだ工事の途中だから、完成まで待とう。」
と考えるかもしれません。
しかし、工事が進むと、下地や配線が壁の中へ隠れたり、取り付けた設備を簡単には動かせなくなったりします。
気になることがあれば、間違いだと決めつける必要はありませんが、早めに確認してください。
担当者へ伝えるときは、
- どの部屋か
- どの場所か
- 何が気になっているか
- 図面や打ち合わせと何が違うと感じたか
を伝えると確認しやすくなります。
写真を撮り、気になる場所へ印を付けて送る方法もあります。
「洗面室に入って右側のコンセントですが、打ち合わせではもう少し高い位置だったと思います。」
というように、場所と内容が分かれば、担当者も現場へ確認しやすくなります。
電話で伝えた場合も、あとからメールやメッセージで内容を残しておくと、認識のずれを減らせます。
工事中の疑問は、完成まで抱えておくより、気づいた時点で確認するほうが解決しやすくなります。
職人さんへ、直接変更を頼まない
現場へ行くと、工事をしている職人さんと話す機会があります。
工事の様子を説明してもらったり、使い方について教えてもらったりすることもあるでしょう。
ただし、棚の位置や仕上げ、設備の仕様などを変更したい場合は、その場で職人さんへ直接頼まず、担当者や現場監督へ伝えてください。
たとえば、
「この棚を、少しだけ高くできますか。」
と聞いたとき、職人さんが、
「できますよ。」
と答えることがあります。
施工だけを見れば、その場で対応できる内容かもしれません。
しかし、位置を変えることで別の設備と干渉する。追加の材料や作業費が必要になる。図面や見積書の変更が必要になる。ほかの工事にも影響し、完成が遅れる。
このようなことまで、その場ですべて判断できるとは限りません。
反対に、職人さんから、
「ここは、この位置のほうが使いやすいですよ。」
と提案されることもあります。
良い提案だと思っても、その場で決めず、担当者と共有したうえで進めてください。
営業担当や現場監督を通せば、ほかの工事への影響や追加費用も含めて確認できます。
職人さんへ要望を伝えてはいけないということではありません。
工事内容を変える話は、担当者を通して会社として確認してもらうことが大切です。
追加や変更は、金額と工期まで確認する
工事が形になってくると、
「ここにもコンセントが欲しい。」
「一緒に隣の部屋の壁紙も替えたい。」
「この棚を、もう一段増やしたい。」
と、新しい希望が出てくることがあります。
工事中でも、進み具合や内容によっては変更できる場合があります。
ただし、できるかどうかだけで決めず、次の内容を確認してください。
- どのような工事を追加または変更するのか
- 追加費用はいくらか
- 完成時期へ影響するか
- ほかの工事内容も変わるか
「ついでだから、それほど費用はかからないだろう。」
と思う工事でも、材料を追加で発注したり、別の日に職人を手配したりすれば費用がかかります。
口頭で追加をお願いし、金額を確認しないまま工事が進むと、完成後の請求で認識が食い違うことがあります。
追加や変更を行う場合は、工事内容と金額を書面やメールで確認し、了承してから進めてもらいましょう。
少額の工事であっても、記録を残すことは相手を疑うためではありません。
施工会社と施主が、同じ内容で工事を進めるためです。
工事の写真を残しておく
工事中は、完成すると見えなくなる部分を確認できる機会でもあります。
配管や配線の位置。壁や天井の下地。断熱材の施工状況。設備を取り付ける前の状態。
こうした写真が残っていれば、将来、棚や手すりを取り付けたり、別のリフォームを行ったりするときに役立つことがあります。
ただし、写真を撮るために危険な場所へ入ったり、作業中の職人さんへ近づいたりしないようにしてください。
自分で現場へ行くことが難しい場合は、
「工事中の写真を残してもらえますか。」
と、事前に担当者へ相談してみましょう。
会社によっては、工事記録として写真を撮影し、完成後に渡してくれることがあります。
どこまで撮影してもらえるのかは会社によって違うため、残してほしい場所があるなら工事前に伝えておくと安心です。
工事写真を残す意味や、会社へお願いするときのポイントは、リフォーム工事の写真はもらえる?|記録を残すメリットでもお話ししています。
工程が変わったときは、完成日への影響を聞く
工事は、最初に決めた工程表どおりに進むことが理想です。
ただ、解体後に補修が必要な場所が見つかる。商品の納入が遅れる。屋外工事が天候の影響を受ける。ほかの作業との順番を調整する。
このような理由で、工事の予定が変わることがあります。
一日ごとの作業が入れ替わっても、完成日は変わらない場合があります。一方で、追加工事や商品の納期によっては、完成が遅れることもあります。
工程の変更を聞いたら、
「完成予定日にも影響がありますか。」
「次は、いつ進み具合を教えてもらえますか。」
と確認してください。
仮住まいの退去日や引っ越し、家具や家電の搬入を予定している場合は、工事の遅れが暮らしの予定にも影響します。
変更の理由だけでなく、その後の見通しまで共有してもらうことが大切です。
近隣から連絡があったら、施工会社へ伝える
工事中は、音や振動、ほこり、工事車両の出入りなどで、近隣へ負担をかけることがあります。
工事前にあいさつをしていても、実際に工事が始まってから気になることが出てくる場合があります。
近隣の方から、
「車を移動してほしい。」
「工事の音は何時まで続きますか。」
と聞かれたときは、自分だけで対応しようとせず、施工会社へ伝えてください。
工事車両の置き方や作業時間、養生など、会社側で対応すべき内容があります。
施主からも一言おわびを伝えることは大切ですが、工事の調整まで施主が引き受ける必要はありません。
いつ、どのような話があったのかを担当者へ共有し、会社からも対応してもらいましょう。
職人さんへの差し入れは、なくても大丈夫
工事中になると、
「職人さんへ飲み物やお菓子を用意したほうがよいのかな。」
と気になる方がいます。
差し入れは、なくても問題ありません。
在宅しながら工事をする場合も、毎日用意する必要はありません。仮住まいをしていて、現場へほとんど行けない場合も同じです。
差し入れの有無で、工事の内容や仕上がりが変わることもありません。
もし渡したいと思ったときは、個包装のお菓子や持ち帰れる飲み物など、職人さんが都合のよい時間に受け取れるものが渡しやすいでしょう。
ただし、会社によっては差し入れを辞退していることもあります。迷う場合は、担当者へ確認してください。
差し入れをする場合のタイミングや、選びやすいものについては、リフォームの差し入れは必要?|現役営業がお答えしますで詳しくまとめています。
工事中は、分からないことをそのままにしない
リフォーム工事の途中は、壁や設備が取り外され、配線や下地が見えていることがあります。
完成した姿を想像しにくく、
「本当にきれいに仕上がるのかな。」
と不安になることもあると思います。
分からないことがあれば、遠慮せず担当者へ聞いてください。
工事の途中だから問題のない状態なのか。
完成すると隠れる部分なのか。
予定どおりの施工なのか。
確認すれば、すぐに分かることもあります。
反対に、打ち合わせとの違いや施工上の問題があれば、工事中のほうが対応しやすいことがあります。
現場を任せることと、何も確認しないことは同じではありません。
毎日細かく監視する必要もありません。
節目で現場を見て、気になることは早めに担当者へ伝え、追加や変更は内容と金額を確認してから進める。
それができれば、施主として十分に工事へ関われています。
工事中に大切なのは、分からないまま我慢せず、施工会社と確認しながら完成へ進むことです。
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工事が終わると、いよいよ完成確認と引き渡しです。
設備はきちんと動くのか。
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保証書や取扱説明書は揃っているか。
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次は、010|リフォーム完成・お引渡しの日に確認したいことへ進みます。