窓ガラスのひびを見つけると、何かをぶつけたのではないかと考えます。
しかし、ガラスは物が当たっていなくても割れることがあります。窓の一部に生じた温度差による熱割れ、網入りガラスの金属が錆びて起こる錆割れ、ガラス端部の小さな傷などが原因です。
割れた理由によって、交換するガラスの選び方や費用負担の考え方も変わります。マンションでは窓ガラスが共用部分として扱われ、管理組合が交換費用を負担することもあります。
今回は、窓ガラスの割れ方から考えられる原因と、交換する前に確認しておきたいことを整理します。
まず、ひびがどこから始まっているかを見る
割れた原因を考えるときは、ひびの本数だけでなく、どこから始まっているかを確認しましょう。
物が当たった場合は、衝突した場所を中心に放射状のひびが広がることがあります。ガラスの中央付近にくぼみや欠けが残っていれば、外から力が加わった可能性があります。
熱割れや錆割れは、ガラスの端からひびが伸びるのが特徴です。ただし、ガラスの端はサッシに隠れているため、室内から見ただけでは起点が分からないこともあります。
割れ方だけで原因を断定するのは難しいため、ひびの始まり方や周囲の状態を確認して判断します。
熱割れは、一枚のガラスに生じた温度差で起こる
熱割れは、一枚のガラスの中に大きな温度差が生じることで起こります。
日差しが当たっている中央部分は温度が上がりますが、サッシに隠れている端の部分は温まりにくく、冷たいまま残ります。暖まった部分は膨張しようとする一方、冷たい部分はその動きを抑えるため、ガラスの内部に力がかかります。
その力がガラスの強度を超えると、端からひびが伸びます。
厚手のカーテンや家具がガラスに近い、暖房器具の温風が直接当たる、濃い色のフィルムを貼っているといった条件も、部分的な温度差を大きくする原因になります。
熱割れは、物をぶつけていなくても起こります。ガラスの端からひびが始まり、大きな衝突痕が見当たらない場合は、熱割れの可能性があります。

参考:AGC Glass Plaza「ガラスが割れる時-3 熱割れ」
錆割れは、網入りガラスの端から進む
錆割れは、網入りガラスや線入りガラスの内部にある金属が錆びることで起こります。
ガラスを切断すると、端部では中の金属が露出します。サッシの中へ入り込んだ雨水や結露水によって金属が錆びると、錆びる前より体積が増え、ガラスを内側から押します。
その力によって端部に細かな亀裂が生じ、そこからひびが伸びるのが錆割れです。
ガラスの端に茶色い錆が見える、端部から短いひびが伸びている、網入りガラスの下側に割れが集中している場合は、錆割れが疑われます。
錆の進行は見える部分だけとは限りません。ひびが小さくても、早めにガラス店や施工会社へ確認を依頼します。

参考:AGC Glass Plaza「ガラスが割れる時-4 錆(サビ)によるガラスの損傷」
複層ガラスの内側が曇っているなら、ひびとは別の不具合
2枚のガラスの間が白く曇っている、水滴が付いているという場合は、熱割れや錆割れとは別の不具合です。
複層ガラスは、2枚のガラスの間を密閉して作られています。周囲の封着材が劣化して内部へ湿気が入ると、ガラスとガラスの間に結露が発生します。
室内側や屋外側の表面なら拭き取れますが、複層ガラスの内部に生じた曇りは拭けません。基本的には複層ガラスそのものを交換します。
ひびが入っていなくても、内部の曇りが続いている場合はガラス店や施工会社へ相談してください。
割れたガラスは、無理に触らず周囲へ近づかない
ひびが入ったガラスは、そのままの形を保っていても安全とは限りません。開け閉めの振動や風圧で、ひびが広がることがあります。
破片を取り除こうとしたり、ひびの入った部分を強く押したりせず、人やペットが近づかないようにします。窓の開閉もできるだけ控えましょう。
室内へ破片が落ちそうな場合は、窓の周囲へ物を置かず、ガラス店や施工会社へ早めに連絡します。夜間や休日で、すぐに交換できない場合は、応急処置が必要かも含めて確認します。
連絡する前に、写真と状況を残しておく
割れたガラスを見つけたら、片付けや応急処置の前に、無理のない範囲で写真を残してください。
ガラス全体、ひびの始まっている場所、サッシまわりを撮っておくと、原因を確認しやすくなります。
あわせて、気づいた日時、直前に物が当たった可能性、暖房器具や家具の位置、窓の方角、網入りガラスかどうかも伝えます。
マンションでは、管理会社や管理組合、保険会社へ説明するときにも写真が必要になります。
マンションでは、交換を頼む前に管理会社へ連絡する
マンションの窓ガラスやサッシは、共用部分として扱われることがあります。割れたからといって、居住者の判断だけで交換できるとは限りません。
国土交通省の標準管理規約では、窓枠や窓ガラスは専有部分に含まれないものとして整理されています。ただし、実際の扱いや費用負担は、それぞれのマンションの管理規約や原因によって変わります。
私の住んでいるマンションで熱割れが起きたときは、居住者の過失による破損ではないと判断され、共用部分の修繕として管理組合が交換費用を負担してくれました。
すべてのマンションで同じ対応になるわけではありませんが、先に自分で交換を手配すると、費用負担やガラスの仕様で問題になることがあります。
まず管理会社へ連絡し、次の点を確認します。
- 窓ガラスが共用部分として扱われるか
- 管理組合と居住者のどちらが費用を負担するか
- 指定された施工会社があるか
- 元と同じガラスへ戻す必要があるか
- 保険の確認が必要か
管理組合が費用を負担するかどうかと、火災保険が使えるかどうかは別の話です。熱割れが補償対象になるかは、契約内容と原因の判断によって異なります。一方、時間をかけて進行する錆割れは、劣化や腐食として補償の対象外になることがあります。
どちらも自己判断せず、管理会社と加入している保険会社へ確認します。
交換するときは、割れた原因を残さない
割れたガラスを同じ種類へ交換しても、原因が残っていれば再び割れることがあります。
熱割れの場合は、ガラスの近くにある暖房器具、厚手のカーテン、家具、フィルムなどが温度差を大きくしていないか確認します。
錆割れの場合は、ガラス端部への防錆処理や、サッシ内の排水状態も確認します。水がたまりやすい状態のままでは、新しい網入りガラスでも錆が進むおそれがあります。
ガラスの種類を変更できる場合もありますが、マンションでは防火上の指定や外観の統一があり、自由に選べないことがあります。今のサッシへ納まる厚みや重さも含め、施工会社と管理会社の両方へ確認します。
ガラスを交換するだけでなく、なぜ割れたのかを確認し、同じ原因をできるだけ残さないことが大切です。
突然割れたガラスは、原因と費用負担を確認してから交換する
窓ガラスは、物が当たらなくても、温度差による熱割れや、網入りガラスの錆割れ、端部の傷によって割れることがあります。
ひびの入り方だけで原因を断定するのは難しいため、写真と状況を残し、ガラス店や施工会社に確認してもらいます。
マンションでは窓ガラスが共用部分として扱われることがあります。自分で交換を手配する前に、管理会社へ連絡し、工事の進め方と費用負担を確認します。
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