窓をリフォームする方法は、一つではありません。
割れたガラスだけを替える方法もあれば、今の窓の内側へ内窓を付ける方法もあります。サッシ全体を新しくするなら、既存の枠を利用するカバー工法か、外壁や内装まで触って古い枠ごと交換する方法を選びます。
同じように見える工事でも、残す部分と新しくなる部分は違います。そのため、ガラスが割れた、窓が寒い、開閉しにくいなど、何を改善したいのかによって選ぶ方法も変わります。
今日は、窓リフォームの主な方法と、それぞれのメリットや注意点を整理します。
窓リフォームは、大きく4つに分けて考える
窓のリフォームは、どこまで交換するかで大きく4つに分けられます。

ガラスだけを直したいのか、サッシの動きや枠の断熱性まで改善したいのか。この範囲を決めると、選ぶ方法が見えやすくなります。
ガラス交換は、サッシを残してガラスだけを替える
ガラス交換は、既存のサッシと窓枠を残し、ガラスだけを新しくする方法です。
ガラスが割れた、ひびが入ったという場合は、サッシに問題がなければガラス交換だけで直せることがあります。型板ガラスへ替えて外からの視線を抑えるなど、ガラスの種類を変えることもできます。
既存のガラスは、ビートと呼ばれるゴム材や押縁などで固定されていることが多くあります。交換するガラスの厚みやサッシの形によって、ビートを替える、専用のアタッチメントを使う、シーリングで納めるなど、固定方法は変わります。
単板ガラスから複層ガラスへ替えられる商品もあります。この場合は、既存のサッシへ納めるための専用アタッチメントなどを使います。
ただし、すべてのサッシへ取り付けられるとは限りません。ガラスが厚く、重くなることで、窓の開閉へ影響することもあります。既存サッシの状態と、交換後も無理なく動かせるかは、職人に確認してもらいます。
ガラスを高性能にしても、古いアルミサッシの枠はそのままです。ガラス面の断熱性は上がっても、サッシ枠の冷たさや隙間、開閉のしにくさまでは改善しません。
内窓は、今の窓の内側へもう一つ窓を付ける
内窓は、既存の窓を残したまま、室内側へ新しい窓を取り付ける方法です。
外窓と内窓の間に空気層ができるため、断熱性や防音性を高めやすく、結露の軽減も期待できます。既存サッシを撤去しないので、外壁や室内の壁を大きく触らずに施工できるのも特徴です。
YKK APの内窓リフォームでは、断熱性、防音性、結露の軽減などが紹介されています。また、LIXILのインプラスも、既存窓との間にできる空気層による断熱効果と遮音効果を特徴としています。
一方で、窓を開けるときは内窓と外窓をそれぞれ動かします。毎日出入りする掃き出し窓や、頻繁に開けて換気する窓では、開閉が一度増えることも考えておきたいところです。
また、窓枠の奥行きが足りない、ハンドルやクレセントが当たる、カーテンレールやブラインドと干渉するなど、そのままでは取り付けにくい窓もあります。既存の窓と同じ開き方の内窓が用意できない場合もあるため、窓の形状と取付スペースを現地で確認します。
内窓を付けても、外側にある既存窓の開閉不良は直りません。寒さや音への対策には向いていますが、窓そのものが重い、鍵が掛かりにくいという相談なら、先に既存窓の修理や交換を検討します。
カバー工法は、既存のサッシ枠を利用して窓を交換する
窓全体を新しくしたいときに使いやすいのが、カバー工法です。
ガラスが入った可動部分を外し、壁に残っている既存のサッシ枠へ新しい枠をかぶせます。外壁や室内の壁を大きく壊さず、サッシとガラスをまとめて新しくできます。
開閉しにくい窓を直したい、サッシ枠を含めて断熱性を高めたい、開かない窓を開けられる窓へ替えたいという場合に向いています。YKK APも、壁を壊さず、今ある窓枠に新しい窓をかぶせて取り付ける方法としてカバー工法を紹介しています。
サッシ枠ごと撤去する方法と比べて、外壁や内装を壊して復旧する工事が少なく、工事範囲と費用を抑えやすい方法です。既存枠の撤去に伴う騒音や粉じんも抑えられます。
デメリットは、既存の枠の内側へ新しい枠を取り付けるため、窓の開口が少し小さくなることです。窓枠が以前より太く見え、ガラス面も少し狭くなります。
また、室内側の額縁や窓台は基本的に残ります。窓と一緒に木製の窓枠まで新しくしたい場合や、既存枠の傷みが大きい場合は、カバー工法で納まるかを確認します。
それでも、外壁と内装をほとんど触らずに窓全体を交換できるメリットは大きく、窓だけを新しくするなら検討しやすい方法です。
サッシ枠ごとの交換は、外壁や内装まで工事する
既存のサッシ枠を撤去し、新しい窓へ交換する方法もあります。周囲の壁を一部壊して枠を取り外すため、はつり工法と呼ばれることもあります。
窓だけで工事を完結させるのは難しく、外壁、防水、室内の壁や窓枠などの復旧が必要です。その分、工事の手間と費用は大きくなります。
外壁も内装も触らない窓だけのリフォームであれば、あえてこの方法を選ぶ場面は多くありません。反対に、外壁を含む大規模なリフォームや、室内を解体するフルリノベーションと一緒なら、サッシ枠ごと交換しても工事をまとめやすくなります。
既存枠を残さないため、開口寸法や室内側の窓枠まで含めて見直しやすいことがメリットです。ただし、建物の構造や防水との関係があるため、窓だけを見て方法を決めることはできません。
マンションでサッシまで交換できる可能性は低い
マンションの窓枠や窓ガラスは、管理規約で共用部分として扱われていることが多くあります。
そのため、区分所有者が自分の判断でサッシを撤去し、新しい窓へ交換できる可能性はかなり低いと考えておいたほうがよいでしょう。
管理組合が建物全体で窓を改修する場合や、管理規約に基づいて個別工事の承認を受けられる場合もありますが、自由に商品や工法を選べるとは限りません。マンション用のカバー工法商品があっても、商品として施工できることと、管理規約上工事できることは別の話です。
マンションで窓をリフォームしたいなら、まず管理規約を確認し、管理会社や管理組合へ相談します。室内側へ設置する内窓も、窓枠の条件だけで決めず、事前に確認しておくと安心です。
直したい範囲から工事方法を選ぶ
ガラスの破損だけなら、サッシまで交換する必要はないかもしれません。寒さや音が気になり、既存窓をそのまま使えるなら内窓、開閉のしにくさや隙間まで改善するならカバー工法が候補になります。
外壁や内装まで含む大規模なリフォームでは、サッシ枠ごとの交換も選べます。反対に、窓だけを直すために外壁まで壊すと、必要以上に工事範囲が広がります。
ガラスだけを替えるのか、今の窓へ足すのか、サッシまで新しくするのか。改善したい範囲に合わせて工事方法を選びます。
窓の工事方法を考える前に困りごとを整理したい方は、窓リフォームの相談で、私が最初に聞くことで詳しくお話ししています。
次の記事
窓リフォームの方法が分かると、次に気になるのが、内窓を付けると実際にどこまで変わるのかです。
次は、内窓は本当に効果がある?|断熱・結露・防音と注意点として、期待できる効果と使いにくくなる点を整理します。