トイレを使ったあとに手を洗う場所は必要ですが、手洗器をトイレの中に設けなければならないわけではありません。
今のトイレにタンク上の手洗いがあっても、家族は使わず、すぐ近くの洗面所で洗っている家庭もあります。そのまま手洗いなしの便器へ交換しても、普段の暮らしはあまり変わらないでしょう。
ただ、来客にも同じ洗面所を使ってもらうなら、洗濯物や歯ブラシなど、家族のものが見える場所へ案内することになります。家族だけでなく、来客がどこで手を洗うかまで考えると、トイレ内や廊下に手洗いを設ける理由が見えてきます。
今日は、タンク上の手洗い、トイレ内の別置き手洗器、便器の給排水を利用するタイプ、洗面所や廊下で洗う場合を比べます。
便器の種類による価格や掃除、交換範囲の違いは、便器はどう選ぶ?|組み合わせ・一体型・タンクレスの違いでお話ししています。
手洗いが必要かではなく、どこで洗うかを考える
最初に確認したいのは、家族が今どこで手を洗っているか。
タンク上で洗っているなら、手洗いなしの便器へ替えると、トイレを出て洗面所まで移動することになります。反対に、今も洗面所を使っている家庭では、トイレ内に新しい手洗器を付けても使わなくなるかもしれません。
来客が多い家庭では、洗面所に案内したとき、洗濯物や化粧品などが見えないかも確認しておきたいところです。来客用にトイレ内で手洗いを完結させたいのか、廊下の手洗いを家族と共用するのかによって、合う場所は変わります。
トイレの手洗いは、付けるか付けないかではなく、家族と来客がどこで洗うかを先に決めます。
タンク上の手洗いは、場所を取らず費用も抑えやすい

タンク上の手洗いは、便器を流すための水を使って手を洗う仕組みです。別の手洗器や給排水を増やさず、トイレ内で手洗いまで済ませられるため、空間と費用を抑えやすい方法です。
一方で、手洗い部分は高い位置にあり、ボウルも浅くコンパクトなので、体の小さな子どもには届きにくくなります。手を差し入れる場所も限られ、水が床やタンクのふたへ飛ぶと、その周りを拭く手間も増えます。
今も家族が無理なく使えており、トイレ内へ新たな設備を増やしたくないなら、タンク上を残す選択で十分です。ほとんど使っていない場合は、同じ形を引き継ぐ前に、実際の手洗い場所を見直します。
別置きの手洗器は、使いやすさと見た目を選びやすい

トイレ内に手洗器を別置きすると、手が届きやすい高さを選べます。
メーカーの手洗いセットなら、コンパクトなボウル、キャビネット、水栓などを組み合わせて納められます。造作にすると、カウンターやボウル、水栓、タイルまで選べるため、内装に合わせた仕上がりにしやすくなります。
メーカー品と造作の違いは、洗面台の選び方をまとめた記事で詳しくお話ししています。
ただし、トイレ用の手洗器は、限られた空間へ納めるために小さくつくられたものが多く、別置きなら必ず使いやすいとは限りません。水栓の吐水位置がボウルの中央付近にくるか、両手を入れられる深さがあるかまで見ておくと、水はねを減らしやすくなります。
給排水を新設しにくい場合は、便器と組み合わせるタイプもある

独立した手洗器には、給水管と排水管が必要です。戸建てや二重床のマンションは床下へ配管を通しやすいものの、床下の高さや既存配管の位置によっては、希望する場所まで延ばせません。
新しい給排水を通しにくい場合は、便器側の給排水を利用する手洗い付きキャビネットがあります。壁や床を大きく壊さずに設置しやすく、タンクや配管をキャビネット内へ隠せるのも特徴です。
選べる便器や手洗器、カウンターの形は製品ごとに決まっており、独立した手洗器ほど自由には組み合わせられません。
手洗器を設置できるかどうかは、今のトイレに取り付けられる?|排水芯・給水・水圧・コンセントも参考にしてください。
トイレが狭ければ、洗面所や廊下で洗う方法もある

トイレ内に手洗器を置けば、その出幅の分だけ便器まわりは狭くなります。設置できる寸法に収まっていても、便器に座ったときに手洗器がすぐ横にあると、数字以上に圧迫感が出るかもしれません。
すぐ近くに洗面所があり、家族のものが見えても気にならないなら、新しい手洗器を付けずに共用できます。トイレ内が狭くならず、掃除する設備も増えません。
洗面所が脱衣室と一緒なら、入浴中は使いにくく、来客を案内するにも生活感が気になります。そんなときは、手洗いを廊下へ出す方法があります。
廊下なら、トイレ内より少し大きなボウルを選びやすく、水はねを抑えやすくなります。玄関から近ければ、帰宅後の手洗い場所として家族も使えるでしょう。我が家も廊下に手洗いを設け、トイレのあとだけでなく、帰宅したときにも使っています。
廊下は人が通る場所なので、手洗器の出幅、水が飛んだときの床や壁の仕上げ、タオルを掛ける位置まで一緒に考えます。タイルを貼ったり、ボウルや水栓を選んだりすると、通路から見える場所としても整えられますね。
トイレの手洗いは、使う人と置ける場所から決める
タンク上の手洗いは、場所を取らず費用を抑えやすい一方、高さやボウルの小ささを使いにくく感じる家庭もあります。別置きなら高さや見た目を選びやすくなりますが、給排水と設置スペースが必要です。
トイレ内へ配管を増やしにくい場合は、便器の給排水を利用する手洗い付きキャビネットを検討できます。室内が狭いときは、近くの洗面所を使うか、廊下へ少し大きな手洗いを設ける方法もあります。
家族が洗えるだけでなく、来客をどこへ案内するか、手洗器を置いても無理なく動けるかまで考えると、必要な場所を決めやすくなります。
次の記事
トイレ内へ手洗器を設ける場合は、便器との間を通れるか、ドアや手すりと重ならないかも確認が必要です。
次は、トイレを広く使うには?|便器前の広さ・ドア・手すりで、限られた空間を使いやすくする考え方を整理します。