レンジフードを選ぶとき、価格の違いをそのまま吸引力の違いだと思ってしまうことがあります。
けれど、グレードによって大きく変わるのは、掃除の手間と、運転を助ける機能です。
手頃な機種では、フィルターやファンなど、取り外して洗う部品が多くなります。分解にもひと手間かかり、汚れがたまりやすい場所も増えます。
一方、最上位グレードになると、油汚れがファンへ届きにくい仕組みや、自動でファンを洗う機能などが採用されています。普段のお手入れは、整流板やトレーを拭いたり洗ったりする程度で済む機種もあります。
コンロと連動して自動で運転を始めたり、調理の状況に合わせて風量を変えたりする機能もあります。
レンジフードを選ぶときに考えたいのは、吸引力の強さだけではありません。
どこまで掃除の手間を減らしたいのか。どこまで自動で動いてほしいのか。
今日は、レンジフードのグレードによって何が変わるのかを、大きく分けて見ていきます。
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レンジフードの価格差は、掃除の手間に表れやすい
レンジフードの価格を比べると、機種によって大きな差があります。
これだけ価格が違うと、
「高いレンジフードのほうが、よく吸い込むのではないか。」
と思うかもしれません。
しかし、価格を上げた分だけ吸引力が大きく上がるわけではありません。
必要な換気性能は、キッチンの配置やダクトの長さ、設置条件なども含めて決まります。機種の価格だけで、実際の吸い込みを比べることはできません。
グレードによる違いが分かりやすく表れるのは、掃除のしやすさです。
グレードが上がるにつれて、
- 洗う部品が少なくなる
- 部品を簡単に取り外せる
- 油汚れが奥へ入りにくくなる
- 汚れを落としやすい加工が増える
- ファンを洗う回数が少なくなる
といった工夫が加わります。
どのレンジフードも、最初はきれいです。
違いが見えてくるのは、使い始めてから数か月、数年がたったときです。
手頃な機種は、洗う部品と掃除の回数が増えやすい
手頃なグレードでは、油を受け止めるフィルターが付いていることがあります。
フィルターが油で詰まる前に取り外し、洗剤へつけたり、ブラシでこすったりしながら掃除します。その奥にあるファンも、定期的に洗わなければなりません。
ファンを外すために、フィルターやカバーなどを順番に取り外す機種もあります。部品が多いほど、分解して洗い、乾かしてから元へ戻すまでに時間がかかります。
高い位置にあるため、取り外すだけでも負担を感じるかもしれません。掃除をしない期間が長くなると、油が固まり、さらに外しにくくなることもあります。
ただし、構造が比較的シンプルで、価格を抑えやすいことはメリットです。
こまめな掃除が苦にならず、今のレンジフードも自分で分解して洗っているなら、手頃なグレードでも十分でしょう。設備費を抑えたい場合にも選びやすいところです。
中間グレードは、普段の掃除を楽にしやすい
中間グレードになると、凹凸を減らした形や、油汚れを落としやすい表面加工が増えてきます。
昔ながらの細かな網状フィルターを使わず、整流板やオイルトレーで油を受けるタイプもあります。
普段は表面を拭き、汚れがたまったトレーを外して洗う。ファンを掃除するときも、部品を簡単に外せるよう工夫されています。
掃除そのものがなくなるわけではありません。
それでも、洗う部品が減り、取り外しやすくなるだけで、日々の負担はかなり変わります。
レンジフードへ大きな予算はかけにくいけれど、フィルターを何枚も洗う掃除からは離れたい。そのような場合は、中間グレードが選びやすいと思います。
最上位グレードは、ファン掃除をほとんど減らせる
最上位グレードでは、ファンへ油汚れが付きにくい仕組みや、自動で洗浄する機能が採用されています。
油を手前で受け止めるもの、ファンの回転を利用して油を落とすもの、お湯を使って自動で洗浄するものなど、方法はメーカーによって異なります。
共通しているのは、ファンを取り外して洗う回数を、できるだけ減らそうとしていることです。
洗う部品が少なく、取り外しも簡単になっています。油汚れがたまりやすい凹凸や隙間も減り、拭かなければならない場所そのものが少なくなります。
レンジフードの掃除で最も負担になりやすい部分を、機械の仕組みで減らしていると考えると分かりやすいと思います。
ただし、レンジフード全体の掃除が、まったく不要になるわけではありません。
表面や整流板、油を受けるトレーなど、手が届く部分のお手入れは残ります。
「掃除不要」というより、面倒な分解掃除を、ほとんどしなくて済むようになると考えたほうが、実際の使い方に近いでしょう。
掃除を減らす仕組みは、メーカーによって違う
上位機種には、油汚れをファンへ届きにくくするものもあれば、付着した油を落としたり、自動で洗浄したりするものもあります。
同じように「お手入れが楽」と書かれていても、普段洗う部品や、ファン掃除が必要になるまでの期間は同じではありません。
ここで大切なのは、仕組みの名前を覚えることではなく、
「普段はどの部品を洗うのか。」
「ファンを自分で取り外す必要があるのか。」
「どのくらいの頻度で掃除するのか。」
を確かめることです。
まずは、フィルター掃除を減らせればよいのか。それとも、ファンを自分で外して洗いたくないのか。そこまで決めておけば、必要なグレードを絞りやすくなります。
具体的な仕組みやメーカーごとの違いは、比較記事で詳しく見ていく予定です。
コンロ連動など、使うときの手間も変わる
グレードが上がると、掃除のしやすさだけでなく、運転を助ける機能も増えます。
代表的なのが、コンロとの連動です。
コンロを使い始めるとレンジフードが自動で動き、火を止めると一定時間後に運転も止まります。
レンジフードのスイッチを押し忘れたり、消し忘れたりすることを減らせます。
調理の状況を見ながら、風量を自動で調整する機種もあります。照明の点灯や消灯まで連動する場合もあります。
こうした機能がなくても、レンジフードとして困るわけではありません。
ただ、毎回行っていた操作を任せられるため、使い始めると便利に感じやすい機能です。
なお、コンロ連動は、すべてのコンロとレンジフードを自由に組み合わせられるわけではありません。連動機能を使いたい場合は、選んだ機器同士が対応しているかを確かめます。
静かさや照明も、毎日の使いやすさに関わる
レンジフードは、料理をしている間、長時間動かすことがあります。
音が大きいと、リビングにいる家族の声やテレビの音が聞こえにくくなります。特に対面キッチンでは、レンジフードの音を近くに感じやすいでしょう。
機種によっては、運転音を抑える工夫や、必要に応じて風量を調整する機能があります。
照明の明るさや色も見ておきたいところです。
コンロの上が暗いと、鍋の中や食材の焼け具合を確認しにくくなります。明るさを変えられるタイプなら、調理中と食後で使い分けることもできます。
掃除の機能ほど目立ちませんが、運転音と照明は毎日の使いやすさに関わります。
ショールームでは、実際に運転して音を聞き、照明も点灯してみてください。
どこまでの機能を求めるのかで選ぶ
レンジフードは、最上位グレードを選べば必ず満足できるわけではありません。
掃除の負担をどこまで減らしたいかによって、かける価値のある金額は変わります。
フィルターやファンを自分で洗うことに抵抗がなく、設備費を抑えたいなら、手頃なグレードでも困らないかもしれません。
網状フィルターの掃除は減らしたいけれど、年に何度かファンを洗う程度なら構わない。その場合は、中間グレードが候補になります。
油で汚れたファンを外したくない。高い位置で部品を分解する作業が負担になっている。できるだけ長い間、内部の掃除をしたくない。そのように考えるなら、最上位グレードを選ぶ理由があります。
コンロとの連動や自動風量調整についても同じです。
自分でスイッチを操作すればよいと考えるのか。それとも、毎日の小さな操作も自動で行ってほしいのか。
高い機種ほどよいのではなく、自分が減らしたい手間に合う機能が付いているかで選びます。
形と設置場所によって、選べる機種が変わる
レンジフードには、壁へ取り付けるタイプのほか、対面キッチンの横側へ付けるタイプや、天井から吊るすタイプがあります。
壁付けキッチン、ペニンシュラキッチン、アイランドキッチンでは、必要になる形が異なります。
特に対面式では、レンジフードがLDKから見えやすくなります。掃除のしやすさだけでなく、大きさや色、天井との納まりも見ておきたいところです。
リフォームでは、今あるダクトの位置や天井の梁によって、選べる機種が限られる場合もあります。
先に機種を決めるのではなく、取り付けられる形と寸法を確認したうえで、その中から必要なグレードを選びます。
ショールームでは、実際に部品を外してみる
レンジフードは、外から見ただけでは掃除のしやすさが分かりません。
ショールームでは、スタッフに案内してもらいながら、掃除するときに外す部品を実際に触ってみてください。
整流板、油を受けるトレー、ファンまで順番に外してみると、機種による違いがよく分かります。
- 外す部品はいくつあるのか
- 片手で無理なく持てる重さか
- 油で滑りやすい状態でも外せそうか
- シンクで洗える大きさか
- 洗ったあと、迷わず元へ戻せるか
カタログで「お手入れ簡単」と書かれていても、自分にとって簡単とは限りません。
高い位置で行う作業だからこそ、実際の取り外し方まで確認してから決めたいところです。
必要なのは、吸引力より掃除との付き合い方
レンジフードの価格差が表れやすいのは、吸引力よりも、洗う部品の数や取り外し方、掃除の頻度、コンロ連動などの使いやすさです。
手頃な機種は価格を抑えられる代わりに、自分で分解して洗う場面が増えます。中間グレードでは、洗う部品や日常の拭き掃除を減らしやすくなり、最上位グレードになると、ファンの分解掃除そのものをほとんどしなくて済むように考えられています。
どのグレードが合うかは、料理の頻度や予算だけでは決まりません。
どこまで掃除を減らしたいのかを決めてから、そのために必要なグレードを選ぶ。
それが、レンジフードを選ぶときの基本だと思います。
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キッチンでは、レンジフードやコンロだけでなく、調理家電のための電源も必要です。
電子レンジ、炊飯器、電気ケトル、トースターなど、使う家電が増えるほど、必要なコンセントの数も増えていきます。
数だけでなく、どこで何を使うのかを考えずに配置すると、延長コードが必要になったり、家電のコードが作業台を横切ったりすることがあります。
次は、キッチンのコンセントはいくつ必要?|付けたい場所と注意点へ進みます。