リフォームが終わると、住まいは見違えるほどきれいになります。
せっかく新しくなったキッチンやお風呂、フローリングやクロスも、「できるだけこのままの状態を保ちたい」と思う方は多いのではないでしょうか。
そのために、こまめに掃除をしたり、便利な掃除道具を使ったりすることもあると思います。
ただ、良かれと思ってやっているお手入れが、実は設備や建材を傷める原因になっていることがあります。
最近の住宅設備や建材は、昔とは素材や表面加工が大きく変わっています。
以前は当たり前だったお手入れ方法が、現在ではメーカーが推奨していないケースも少なくありません。
この記事では、リフォーム後の住まいを長くきれいに使うために、知っておきたいお手入れ方法と「やってはいけないこと」をご紹介します。
まず知っておきたいこと
❌ 何でもメラミンスポンジでこすらない
メラミンスポンジは、水アカや茶渋などを落としやすい便利な掃除道具です。
しかし、その汚れが落ちる仕組みは、細かな研磨材で表面を削ることにあります。
そのため、素材によっては細かな傷が付き、コーティングやツヤを傷めてしまうことがあります。
特に、
- 人工大理石
- 塗装された建具
- コーティングされた設備
などでは注意が必要です。
すべての場所で使用できないわけではありませんが、「何でもメラミンスポンジでこする」のは避け、取扱説明書やメーカーのお手入れ方法を確認してから使用しましょう。
フローリング
毎日歩くフローリングは、ちょっとしたお手入れ方法の違いで寿命が大きく変わります。
特に、水分と熱には注意が必要です。
❌ ワックス不要の床にワックスを塗る
最近のフローリングは、工場で表面コーティングされた「ワックス不要タイプ」が多くなっています。
そこへ市販のワックスを塗ると、ムラや剥がれの原因になったり、質感が損なわれたりすることがあります。
まずは、ご自宅のフローリングがワックス不要タイプかどうか確認してからお手入れを行いましょう。
❌ スチームクリーナーを使う
高温の蒸気は、フローリングの継ぎ目から水分が入り込み、膨れや反り、床鳴りの原因になることがあります。
私も実際に、お客様がスチームクリーナーを使い続けたことでフローリングが膨張し、床鳴りが発生して補修に伺ったことがあります。
きれいに掃除しているつもりでも、床材には負担をかけてしまっていることがあります。
普段のお手入れは、掃除機や乾拭き、固く絞った雑巾で十分です。
❌ 水をたっぷり使って水拭きする
フローリングは木質系の建材です。
水分が継ぎ目から入り込むと、膨れや反りの原因になることがあります。
水拭きをするときは、雑巾を固く絞り、水分を残さないように拭くことが大切です。
❌ 化学モップを毎日使う
化学モップに含まれる薬剤は、床材によってはベタつきや変色の原因になることがあります。
毎日の掃除は掃除機や乾拭きを基本にし、化学モップはメーカーの推奨方法に従って使用しましょう。
キッチン
キッチンは毎日使う場所だからこそ、知らないうちに設備を傷めてしまうお手入れをしていることがあります。
❌ 塩素系漂白剤を長時間放置する
しつこい汚れを落とそうと、塩素系漂白剤を長時間付け置きする方もいます。
しかし、金属部品やゴム部品は、長時間薬剤にさらされることで変色や劣化の原因になることがあります。
使用時間は取扱説明書に従い、使用後はしっかり洗い流しましょう。
❌ 水栓をクレンザーで磨く
水アカが気になるからと、研磨剤入りのクレンザーで水栓を磨くのはおすすめできません。
水栓の表面はメッキ加工されていることが多く、細かな傷が付くことで光沢が失われたり、水アカが付きやすくなったりします。
汚れが気になる場合は、中性洗剤と柔らかい布でのお手入れが基本です。
浴室
浴室を長くきれいに保つポイントは、「洗うこと」よりも「乾かすこと」です。
❌ 24時間換気を止める
電気代が気になって24時間換気を止めてしまう方もいます。
しかし、湿気がこもることでカビや臭いが発生しやすくなります。
24時間換気は浴室だけでなく、住まい全体の空気を入れ替える役割もあります。
❌ 入浴後すぐ換気扇を止める
入浴後の浴室には、目に見えない湿気がたくさん残っています。
換気扇をすぐ止めてしまうと、その湿気が浴室内に残り、カビの原因になります。
浴室全体を乾かすことを意識して、しばらく換気を続けましょう。
❌ 鏡を乾かさない
鏡に残った水滴は、乾燥すると水アカ(ウロコ)になります。
一度固着すると落としにくくなるため、入浴後にスクイージーやタオルで軽く水滴を取るだけでも効果があります。
毎日のひと手間が、鏡を長くきれいに保つコツです。
❌ 強い洗剤を長時間放置する
汚れを落とそうと洗剤を長時間放置すると、ゴムパッキンや金属部品の劣化、変色につながることがあります。
洗剤は「長く置けばよく落ちる」というものではありません。
メーカーが指定する使用時間を守ることが大切です。
クロス
クロスは見た目以上にデリケートな素材です。
強くこするよりも、「優しく汚れを落とす」ことを意識しましょう。
❌ 強くゴシゴシ擦る
汚れを落とそうとして強く擦ると、クロスの表面が毛羽立ったり、ツヤが変わってしまうことがあります。
まずは柔らかい布で優しく拭き取り、それでも落ちない場合は中性洗剤を薄めて使用しましょう。
❌ アルコールを大量に使う
最近はアルコールで掃除をする機会が増えました。
しかし、クロスの種類によっては変色や表面劣化の原因になることがあります。
目立たない場所で試してから使用すると安心です。
建具
毎日何気なく使っている建具も、間違ったメンテナンスで不具合の原因になることがあります。
❌ レールや可動部にCRC556を吹く
動きが悪くなったからといって、CRC556を吹くのはおすすめできません。
油分がホコリを呼び込み、時間が経つとかえって動きが悪くなることがあります。
使用する場合は、メーカー指定の潤滑剤を使用しましょう。
❌ 丁番へ食用油を差す
「家にある油で大丈夫だろう」と思って食用油を使う方もいます。
しかし、食用油は酸化してベタつき、ホコリを集めてしまいます。
異音が気になる場合は、建具メーカーが推奨する潤滑剤を使用しましょう。
鍵
❌ 鍵穴へCRC556を吹く
鍵が回りにくくなると、「潤滑剤を吹けば直る」と考えてしまう方は少なくありません。
しかし、CRC556のような油性潤滑剤はホコリやゴミを吸着し、時間が経つほど症状が悪化することがあります。
私も実際に、CRC556を使用したことで鍵が回らなくなり、最終的にシリンダーごと交換になった現場を経験しました。
鍵穴には必ず鍵穴専用の潤滑剤を使用しましょう。
まとめ
リフォーム後の住まいは、お手入れ次第で10年後、20年後の状態が大きく変わります。
「きれいにしたい」という気持ちはとても大切ですが、その方法が設備や建材に合っていないと、かえって傷や劣化を早めてしまうことがあります。
特別なお手入れをするよりも、素材に合った方法で、無理をしないことが長持ちの秘訣です。
迷ったときは自己判断せず、取扱説明書を確認したり、施工会社へ相談したりすることをおすすめします。
毎日のちょっとした心掛けが、住まいを長く快適に保つことにつながります。
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