キッチンのコンセントを考えるとき、
「2口コンセントを二か所付ければ足りますか?」
と聞かれることがあります。
差し込み口が四つあれば、十分に見えるかもしれません。ただ、電子レンジ、炊飯器、トースター、電気ケトルを置けば、それだけで埋まります。
ミキサーやハンドブレンダーを使いたくても、空いているコンセントがない。毎回どれかを抜いたり、延長コードを出したりすることになります。
最近は、コーヒーメーカーや電動の炭酸水メーカー、ウォーターサーバーなど、キッチンで使う家電も増えました。冷凍食品や作り置きのために、二台目の冷凍庫を置く家庭もあります。
必要なコンセントの数は、どの家庭でも同じではありません。
今使っている家電の数に、作業用と予備を加えて考える。
今日は、この考え方を基本に、コンセントの数や位置、高さ、電気回路についてお話しします。
まず、キッチンへ置く家電をすべて数える
コンセントの位置を決める前に、今使っている家電をすべて書き出してみましょう。
冷蔵庫のほかに、カップボードへ電子レンジ、炊飯器、トースター、電気ケトル、コーヒーメーカーを置く家庭もあります。
ミキサーやハンドブレンダー、フードプロセッサーのように、使うときだけ調理台へ出す家電もあります。
家電を五台置くなら、少なくとも五つの差し込み口が必要です。
ただし、今使っている家電の数と、コンセントの数を同じにすると、最初からすべて埋まってしまいます。あとから家電が一台増えただけで、どれかを抜かなければなりません。
家電の数を確認したうえで、作業用や将来のために、一つか二つ余裕を持たせておくと使いやすくなります。
家電の配置から、コンセントの位置を決める
差し込み口の数が足りていても、使いたい場所にコンセントがなければ不便です。
たとえば、カップボードの端にコンセントをまとめると、反対側に置いた家電までコードが届かないことがあります。
届いたとしても、家電の前をコードが横切ったり、カップボードの上へ長いコードが余ったりします。
電子レンジ、炊飯器、トースターなどの位置を先に決め、それぞれの近くへコンセントを設けると、コードが目立ちにくくなります。
ただし、家電の真後ろへ付ければよいとは限りません。
プラグの厚みやコードの向きによっては、家電を壁まで寄せられなくなることがあります。家電の放熱に必要な距離もあるため、設置説明書を確認しながら位置を決めます。
コンセントだけを図面へ書き込むのではなく、家電の幅と高さ、奥行きまで入れて確認しておきたいところです。
カップボードへ置く家電の整理は、カップボードの奥行きと高さはどう決める?|家電から考える収納計画で詳しくお話ししています。
コンセントの高さは、使いやすさと見え方が変わる
カップボードのコンセントは、低すぎるとプラグを差し込みにくくなります。
家電の後ろへ完全に隠れる位置では、抜き差しするたびに電子レンジやトースターを動かさなければならないこともあります。
反対に、高く付けすぎると、家電の上からコンセントやコードが見えてしまいます。
私なら、カップボードの天板からコンセントの中心まで10〜15cm程度を一つの目安にします。
このくらいであれば、電子レンジやトースターの後ろへ隠しやすく、家電の横へ少しずらせば手も届きやすくなります。
ただし、これはどの家庭にも当てはまる正解ではありません。
置く家電の高さやプラグの位置、吊戸棚との間隔によって、ちょうどよい高さは変わります。家電の真後ろではなく、横へ少しずらしたほうが使いやすい場合もあります。
見た目を整えたいときは、コンセントの高さだけでなく、どの家電で隠すのかまで考えておくときれいに納まります。
すでにあるコンセントを移せず、プラグの出っ張りが気になる場合は、差し込んだプラグの向きを変えられる商品もあります。
パナソニックの「ローリングタップ」は、プラグを左右へ動かせるため、壁からの出っ張りを抑えたいときに使えます。
ただし、アダプターを使用できるかは、家電の取扱説明書と商品の定格容量を確認してください。消費電力の大きい家電には、壁のコンセントへ直接差し込むよう指定されているものもあります。
リフォーム中で位置を変更できるなら、家電と干渉しない場所へコンセントを移しておくほうが納まりはよくなります。
作業台で使う家電のコンセントも忘れない
カップボードへ置く家電だけでコンセントの数を考えると、調理中に困ることがあります。
ミキサーやハンドブレンダー、フードプロセッサー、ハンドミキサーなどは、調理台へ出して使います。
カップボード側にしかコンセントがないと、コードが通路を横切ったり、調理台まで届かなかったりします。
調理台の近くにも、作業用のコンセントを一つか二つ用意しておくと便利です。
対面キッチンで腰壁をつくる場合は、腰壁の内側へ設けられることがあります。
キッチンのシリーズによっては、本体の手元部分にコンセントを組み込める商品もあります。使うときだけ家電を調理台へ出し、その場で差し込めるため、作業用として使いやすい位置です。
ただし、すべてのキッチンへ付けられるわけではありません。選んでいるシリーズで対応できるか、ショールームや打ち合わせで確認してみてください。
口数があっても、同時に使えるとは限らない
コンセントは、差し込み口の数だけで考えるものではありません。
一般的な2口コンセントは、二つ合わせて1500Wまでが目安です。
電子レンジ、炊飯器、トースター、電気ケトルなどは、一台でも消費電力が大きい家電です。朝食や夕食の準備では、いくつかを同時に使うこともあります。
差し込み口が空いているからといって、同じコンセントへつなげばよいとは限りません。
また、壁のコンセントが別々でも、同じ回路につながっていれば、同時に使ったときにブレーカーが落ちることがあります。
電子レンジには専用回路を用意し、炊飯器やトースター、電気ケトルを同時に使う場所も、一つの回路へ負担が偏らないようにしておくと安心です。
IHクッキングヒーターやビルトインオーブン、食洗機については、選ぶ機種に合った電圧や専用回路が用意されているかも確認します。
電子レンジや冷蔵庫など、アース線のある家電を置く場所には、アース端子付きのコンセントも必要です。
電気工事を考えるときは、家電の名前だけでなく、
「朝は、トースターと電気ケトルを一緒に使う。」
「夕食の準備では、電子レンジを使いながら炊飯する。」
というところまで伝えてください。
家電を同時に使う場面が分かれば、必要な回路も考えやすくなります。
今は置いていない家電も考えておく
キッチンリフォームをきっかけに、新しい家電を購入する家庭もあります。
カップボードが広くなったら、コーヒーメーカーを置きたい。
電動モデルの炭酸水メーカーを使ってみたい。
ウォーターサーバーを置きたい。
冷凍食品や作り置きのために、二台目の冷凍庫が欲しい。
このような希望があれば、打ち合わせの段階で伝えておきます。
ウォーターサーバーや冷凍庫は、コンセントだけでなく、設置するための床面積も必要です。扉を開ける場所や放熱のための隙間も考えなければなりません。
まだ購入する機種が決まっていなくても、
「将来、ここへ置くかもしれない。」
と分かっていれば、コンセントと設置スペースだけ先に用意できます。
完成してから増設すると、壁や収納を工事し直さなければならないことがあります。置きたい家電が少しでもあれば、早めに相談しておくほうが安心です。
延長コードを前提にしない
コンセントが足りなければ、延長コードや電源タップを使えばよいと思うかもしれません。
ただ、キッチンは水や熱を使う場所です。
調理台やシンクの近くへコードが垂れていると、水がかかったり、調理中に引っ掛けたりするおそれがあります。
消費電力の大きい家電を同じ電源タップへまとめる使い方も避けたいところです。
延長コードを使わないと届かない場所が分かっているなら、リフォームの段階でコンセントを設けておくほうが安全で、見た目も整います。
今のキッチンで延長コードを使っている場所があれば、なぜ必要なのかを確認してみてください。
コンセントの数が足りないのか。位置が遠いのか。家電を置く場所が変わったのか。
その理由が、新しいキッチンのコンセント計画を考える手がかりになります。
家電の数と、使い方から考える
キッチンのコンセントは、2口を何か所付けるという決め方だけでは足りません。
どの家電を置くのか。
どこへ置くのか。
調理台では何を使うのか。
どの家電を同時に動かすのか。
将来、増やしたい家電があるのか。
ここまで考えると、必要なコンセントの数と位置、電気回路が見えてきます。
高さを決めるときは、使いやすさだけでなく、家電で無理なく隠せるかも確認します。
今使っている家電の数に、作業用と予備を加え、同時に使う家電に合わせて回路を分ける。
コンセントは完成後に増やしにくいところです。
リフォームの打ち合わせでは、今の家電だけでなく、これから使いたい家電まで一度並べて相談してみてください。