洗濯機を買い替えるとき、今と同じ場所へ置くなら、本体の幅だけ測ればよいのでしょうか。
洗濯パンには納まっても、背面の蛇口や上の棚に当たり、ふたや扉を最後まで開けられない場合があります。設置場所には余裕があっても、玄関や洗面所の入口を通れないかもしれません。
特に、縦型からドラム式へ替える場合や、洗濯容量を大きくする場合に見落としやすいのが、本体の奥行きと扉を開ける場所。
衣類乾燥機を別に置くなら、排気の方法や設置する棚、電源も確認が必要になるため、今日は、洗濯機と乾燥機を置けるかどうかを、洗濯パン、設置場所、搬入経路の順に考えてみます。
洗濯機や衣類乾燥機の電源については、洗面所のコンセントはいくつ必要?|位置と高さの考え方でお話ししています。
洗濯パンは、水漏れが床へ広がるのを抑える
洗濯パンは、防水パンとも呼ばれる、洗濯機の下に設ける受け皿です。
給排水ホースが外れたり、洗濯機から水が漏れたりしたとき、その水を受けて床へ広がるのを抑えます。
特にマンションで心配なのが、階下への漏水。洗濯パンがあれば、どのような水漏れでも防げるわけではありませんが、被害を小さくするための備えになります。
ただし、洗濯機で排水口が隠れ、排水ホースにも手が届かない状態で、不具合に気づけるでしょうか。水漏れへ備えるなら、洗濯パンを設けるだけでなく、排水口や排水ホースを点検できる納まりにしておきましょう。
洗濯パンには、代表的な三つのサイズがある
防水パンメーカーのテクノテックでも、代表的な外寸として次の三つなどが用意されています。
- 640×640mm
- 740×640mm
- 800×640mm
洗濯機が置けるかを決めるのは、パン全体の外寸ではなく、四隅の台座に脚を載せられる有効内寸。パンの縁から縁までを測るだけでなく、台座どうしの距離と洗濯機の脚の位置、排水口の場所を確認します。
排水口が本体の真下に隠れると、排水ホースを通すための部品や高さが必要になる場合があり、日立の防水パンに関する案内でも、商品や条件によって別売部品が必要になると説明されています。
かさ上げが必要になった場合、選ぶ機種にはどの部材を使えるのか。市販品を自己判断で組み合わせず、施工会社や販売店へ確認します。
設置場所は、幅・奥行き・高さを測る
購入前でも、候補機種のメーカー公式サイトやカタログから、本体寸法や設置に必要な寸法を確認できます。
たとえば、パナソニックのドラム式洗濯乾燥機の寸法図には、本体の幅、奥行き、高さに加え、給排水ホースを含む総外形寸法も掲載されています。
では、設置場所のどこを測ればよいのでしょうか。確認したいのは次の5点。
- 壁から壁までの幅
- 背面の壁から洗濯機前方までの奥行き
- 洗濯パンから上の棚や天井までの高さ
- 洗濯パンの有効内寸
- 洗濯パンから蛇口までの高さ
高さの基準になるのは、床ではなく洗濯機の脚が載る面。洗濯パンやかさ上げ部材を使うと、その分だけ本体の位置が高くなります。
左右や背面にどのくらいの余裕が必要かは機種によって違うため、カタログの本体寸法だけで判断せず、商品ページにある設置寸法も見ておきます。
ドラム式は、扉を全開にした奥行きまで測る
縦型洗濯機は上へふたを開けますが、ドラム式は前面の扉が手前へ大きく出てきます。
洗濯パンへ本体が納まっても、その扉を全開にできるでしょうか。
パナソニックの設置寸法案内のように、本体の奥行きとは別に、扉を全開にした寸法を掲載しているメーカーもあるため、扉の先端が壁や建具に当たらず、人が立って洗濯物を出し入れできる場所が残るかまで見ておきます。
縦型なら上の棚とふた、ドラム式なら扉を全開にした状態まで含めて採寸し、右開きと左開きのどちらが使いやすいかも、壁や洗面台との位置関係から確認します。
蛇口と上の棚が当たらないか確認する
洗濯機を大きくするときは、背面の蛇口との位置関係も確認し、蛇口までの高さだけでなく、洗濯機の中心から見て左右のどこにあるか、ハンドルを回して給水ホースを無理なく接続できるかまで見ておきます。
上の棚は本体と重ならなくても、縦型のふたや洗剤投入口を開けたときに当たるかもしれず、ドラム式でも、上部の洗剤ケースを引き出すスペースが必要です。
洗濯機を置いたあとも蛇口やコンセントへ手が届き、点検や交換ができる納まりにするため、造作棚は候補機種の寸法が分かってから高さと奥行きを決めます。
搬入経路は、設置場所と同じくらい大切
設置場所へ納まっても、そこまで運べなければ洗濯機を置けません。
確認するのは、エレベーター、階段、玄関、廊下、洗面所の入口。通路の幅だけでなく、ドアノブや手すり、照明、収納の取っ手など、出っ張っている物も含めて測り、曲がり角で本体を回せるか、階段の天井や踊り場に余裕があるかも見ておきます。
私の母が洗濯機を買い替えたときも、洗濯パンの寸法を測り、置けることは確認していましたが、洗面室の入口を通せず、搬入当日に「置けない」「聞いていない」という話になり、販売店と揉めてしまいました。
洗濯パンを測って安心してしまうと、搬入経路は見落としやすいもの。玄関から設置場所まで、一か所ずつ測れているでしょうか。
日立の設置・搬入案内でも、玄関や室内ドアの幅に加え、階段、曲がり角、手すりなどの確認が案内されています。寸法がぎりぎりなら、購入前にどこへ相談するか。販売店や配送会社へ下見を依頼します。
衣類乾燥機は、排湿方法・棚・電源を確認する
マンションでガス衣類乾燥機を新設するとき、最も大きな壁になるのが排湿経路。
ガス栓と電源に加え、湿気を屋外へ出す排湿管が必要になるため、既存の排湿口やガス設備がないマンションでは、新たに設置するのは、ほとんどの場合難しいでしょう。
外壁は共用部分にあたることが多く、排湿管を通す穴を自由に開けられないのがマンション。すでに使える排湿口やガス設備がある場合でも、管理規約や管理組合への確認は欠かせません。
戸建てであれば、外壁や窓を利用して排湿管を屋外へ出せ、リンナイの設置案内でも、壁、窓、天井を使った排湿方法が紹介されています。
排湿口が隣家の窓や、人が通る場所に近すぎないか。温かい湿気や運転音が気になる位置を避け、施工会社と排湿先を決めます。
洗濯機の上へ置くなら、最初に見るのが棚や専用台の強度。ガス式、電気式のどちらでも、乾燥機本体と衣類の重さに耐えられることが条件で、造作棚へ載せる場合は、壁の下地や固定方法まで確認します。
電気式であればマンションでも設置しやすくなりますが、コンセントへ差せればよいとは限りません。確認したいのは、100Vか200Vか、消費電力、プラグの形、回路容量、アースの要否。
今の電気設備で洗濯機と乾燥機を同時に使えるか。必要であれば専用回路を設けられるかも、電気工事業者へ確認します。
リフォームでは、機種を早めに絞る
洗濯機置き場をつくってから商品を選ぶと、置ける機種が限られるかもしれません。
洗濯パンを交換する、蛇口やコンセントを移す、上に棚を造る、洗面所の入口の位置や幅を変えるといった工事があるなら、使いたい洗濯機の候補を早めに絞り、商品名まで決められなくても、縦型かドラム式か、必要な洗濯容量、乾燥機を別に置くかまでは決めておきます。
候補機種が決まれば、メーカーの商品ページやカタログにある寸法図を施工会社へ共有できますが、一台だけがぎりぎり納まる計画では、次の買い替えで選べる機種が少なくならないでしょうか。可能であれば、配管や棚の位置に少し調整できる余地を残しておきます。
測るのは、洗濯機を置く場所だけではない
洗濯機と乾燥機を置けるかどうかは、本体の幅だけでは判断できません。
洗濯パンの有効内寸と排水口、蛇口と棚の位置、ふたや扉を開ける場所まで確認します。
さらに忘れたくないのが、玄関から洗面室までの搬入経路。
衣類乾燥機を追加するなら、排湿方法、棚や設置台の強度、電源の条件も確認が必要です。
洗濯機を置く場所、実際に使うときに必要な広さ、そこまで運ぶ経路を一緒に測る。
この三つがそろって、初めて置けるかどうかを判断できます。
次の記事
洗濯機と乾燥機の位置が決まったら、次に考えたいのは、洗濯動線です。
洗面所だけで完結させることが目的ではなく、洗濯機から先の作業を途切れにくくすることが大切ではないでしょうか。
次は、洗濯動線はどう考える?|洗う・干す・たたむ・しまう場所の考え方へ進みます。